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  カミカミ犬のリーダーになれた日
「甘噛み」なのか「本気噛み」なのかが判らない。

今ではもう「遠い日の出来事」のようにも感じられますが、龍が家に来て2ヶ月ぐらい経った頃から、 甘噛みに悩まされる日々が続きました。
犬と暮らしたことのない私は、「犬の甘噛みってこんなに激しいのか」と戸惑い、「犬を飼っている人たちは、すごいな〜」と驚いていました。

猫にも甘噛みの時期はありますが、これまで一緒に暮らした猫たちの甘噛みはほんのご挨拶程度、 知らない間に「甘噛みの時期」を終えていました。
当初から、頭を撫でようとすると少し身を引くようなところがあったのには気付いていたのですが、 お互いが安心してスキンシップできるようになるまでには、かなりの時間と努力が必要とされました。

といっても相手はまだチビスケ、最初は高をくくっていたものの・・・
生後7ヶ月〜8ヶ月ぐらいの頃がいちばんひどく、その頃の私の腕や手はいつも傷だらけでした。正直言って「このまま一緒にやっていけるのだろうか?」と落ち込むこともしばしばで、体も大きくなってきたピーク時の頃は、私に対して「ガルルゥ・・・」と低く唸ることも何度かあり、ショックを受けるとともに「これは何とかしなくてはならない」と決意していたのでした。


そのころの状況としては
1. 手に対しての不信感があり、手を出す、または頭を撫でようとすると身を引くか甘噛みをし(これがけっこう痛い)、もしくは噛まないまでも「アウッ、アウッ」と意思表示してくる。

2. 遊んでいるうちにテンションが上がりすぎ、特に「引っ張りっこ」をしているときなどに、確信犯的に甘噛みしてくる。

3. 基本的な服従訓練は問題なく、「伏せ」なども抵抗なく出来る。無駄吠えなども全くない。

4. 他犬とトラブルになることは皆無、よほど吠えまくられない限り「ワン」とも言わない。

今思えば、早い時期に親から離され、兄弟や親との遊びの中でルールを学ぶことが出来なかったのが一番の原因だと思われますが、手に対する不信感はなかなか取り去るのは難しい問題でした。生後3ヶ月までに何があったのか? それは龍のみが知っていること、想像することぐらいしかできませんし、想像しても直りません。
理解できなかったのは、服従訓練はできるのにカミカミが激しくなってきたことでした。
・・・とにかく初心者なので、これは「甘噛み」なのか「本気噛み」なのかが判らないのですから困ったものです。 何人かのベテランの方に聞いたり、本を何冊買ったことかわかりません。(笑)



「もうカミカミしてませんよ僕」
 
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ピークとなった生後7〜8ヶ月頃のある日、連日の「しつけ」と葛藤でヘトヘトに疲れきっていた私は、気分転換をしようと近所に住む50代のご夫婦のお宅へ、娘と龍を連れて遊びに行きました。
そのご一家は、娘が小さい頃からしょっちゅう遊びに行っては、お世話になっていた素敵なご家族で、ご夫婦の他に娘さんが一人とおばあちゃん、そしてゴールデンレトリバーと老犬のシーズーが一緒に暮らしていました。
ゴールデンレトリバーの“ジョルノ”とシーズーの“ペルケ”は娘が小さい頃から遊んでもらっていたし、私も大好きなwan達でした。

暫くぶりにお会いして、夕飯をご馳走になりながら雑談していると・・・
“ジョルノ”がヌウと近づいてきて、足元近くにいた龍のニオイをチェックしているなと思った瞬間! 「ギャッ、キャイ〜〜ン!キャイ〜〜ン!」と叫ぶ龍、テーブルの下でグルグルッと“ジョルノ”に巻き込まれていたのです! 

私はとっさに龍の首輪を掴んでグイッと引き出し、龍をがばっと抱え込むようにして少し離れました。 たぶんその間十数秒、一瞬の出来事でした。
龍はマズルのあたりをガブッとやられていたようでしたが、血は出ていない様子、傷もひっかき傷ぐらいに見えたので、大したことないだろうと一安心。
“ジョルノ”はお仕置きで別室に隔離されたものの、龍の凹みようが激しかったので、早々においとますることにしました。


外に出てすぐ、明るい場所でもう一度確認するとマズルと左目の間ぐらいのところがパクッとめくれるような状態になっていたのです。
そのお宅は有名建築家が設計した建物で、奥さんのセンスもとても良く、リビングには間接照明のみ、さらに龍の顔が黒いので傷もよく見えなかったのです。 
「このまま病院に直行だな、化膿したら大変だし。」と一緒に行った娘に告げ、歩き出しました。娘も、かなり凹んでいました。
すると、私の左側ピッタリ横、私に注意を払いながら龍がついて来るのです。まるでしつけ教室の先生が見せてくれた、見本のようなウォークで。(笑)

私が龍をかばったので、龍にとっては「この人は自分より順位が上だ」とはっきり認識した瞬間だったのでしょう。
「まったく・・・」と苦笑しながら駐車場へ、娘と龍を車に乗せて動物病院へ向かいました。幸い、顔の傷は「浅く広く噛まれている」とのことで跡も残らず、また、脳天気な性格が勝ってトラウマにもならずに済みました。




「引っ張りっこをしていると燃えるんだ」
6ヶ月を過ぎた頃

 
 

あとで伺うと、“ジョルノ”は小さい頃に他犬との接触がほとんど無かったために、社会性のない子になってしまったそうで、人間は大好きとのこと。
「先に言って〜」とその時は思いましたが、すっかり忘れていたというその大ざっぱさがいい味を出しているご夫婦なので、とても恨めません。(笑)そして、おじゃまする前に聞かなかった私が悪いのです。

それもこれも、経験の無さが生み出したこの事件、龍がいきなり噛まれたことはショックでしたが、私と龍にとって良い経験となりました。
その後、カミカミが直るまでには数ヶ月かかりましたが、この一件があってから、私に唸るようなことは一切なくなり、龍との関係は良い方向に転がりだしたのでした。
今では、逆に、へなちょこ犬なのではないかと思うほど・・・
いちおう、「メデタシ、メデタシ」になったお話です。


龍の行動、しつけ教室の先生にうかがったお話や、本に書いてあったことなどを総合的に考えると、手に対する何らかの恐怖心と軽い権勢症候群が混じり合い、しかも私の龍に対する態度に一貫性がない、もしくは叱る、誉めるのタイミングがずれているなども重なって、お互いに良くない関係を長引かせてしまったのかなと思っています。
たぶん、慣れている方にとっては大きな問題ではないかもしれないし、私自身はけして神経質な人間ではありませんが、いろいろな場所に龍と一緒に行きたいと思うからこそ、真剣に取り組まざるを得ない問題でした。

最後に、
良いと思われることをいろいろ試してみましたが、どの方法が効果的かは犬の個性によって違いがあると思うので、あえて記しませんが・・・


たくさんの本を読んで(笑)良いなと思い実行していることをひとつ・・・

『叱るときに「イケナイ」と言う』は、どのしつけの本にも書いてある基本ですが、とっさに「イケナイ」という言葉は使い慣れないし、長くて言いにくいと思ったことはありませんか? たくさん買ったしつけの本のなかで、松本和幸/著「英国式 愛犬のしつけ方」(青春出版社)という本に、

〜英国では叱るときに、押し殺したような「ア゛ッ!」という音を発声します。威圧感もあり、戒めるための声としてふさわしいのではないかと思います。〜
という一節があり、私は「そうだよね〜!」と思わず頷いてしましました。
今は「イケナイ」と併用して実践しています。

この本には私が買った本の中で唯一「同じ屋根の下で生活するために」の項目に、猫との同居について触れられている本でもありました。



「眩しくてママが見えませ〜ん」