ブリタニーのブリード戦を見終えて、2日・3日目
2日目、ブリタニーのブリード戦を見終えてからの後半と、3日目はさまざまな競技を中心に観て歩きました。各ホールを行き来する間には、数え切れないほどのドッググッズのショップを渡り歩き、途中で気になる犬種のブリード戦に立ち止まりと、とにかく一日中、犬、犬、犬の毎日。 しかし、ドッグスポーツやショウ、ゲーム、オビディエンスといくら見ても、疲れますが飽きません。 ドッグスポーツ観戦では、皆さんもよくご存知のアジリティーなどで、あまりに優秀な犬が爆走し、飼い主が追いつかず(しかもノーミス)、ものすごく先にゴールしてしまったり、ゴール直前で逆走したり等々のハプニングやミスがあると、大ウケで会場から割れんばかりの歓声と拍手が沸き起こるのが、最高に面白かったです。 観ている人たちも経験者が多いからなのか、「あるある!よくやったよ」みたいな、成功した良い成績のペアの時よりも大喝采が起きるのでした。
とにかく、朝から晩まで4日間通い詰めても、全てを制覇することができなかった、世界最大のドッグショー「Crufts」は想像以上の規模と楽しさでした。
 

 
秋田犬の魅力(Breader Stakes Competition)
犬種対抗のオビディエンス競技のようなものでしょうか。 体格も近い犬を揃え、ハンドラーも洋服までお揃いにして、一斉に行進したりターンしたりします。これに秋田犬のブリーダーチーム(写真左側の一番手前の列)が出場していて、秋田犬は威風堂々!、体も大きくきりりとした表情、とても存在感があり、日本人としてとても誇らしい気持ちになりました。日本にいてもなかなか会うことのない秋田犬ですが、見聞録01の資料にもあるように、ユ−ティリティーグループに属する秋田犬は出場頭数も170頭と多く、イギリスではとても人気があるようです。
 

 
盛り上がるドッグスポーツ!
4日間で、一番時間を費やしたのは、アジリティーをはじめとするドッグスポーツとオビディエンス競技観戦でした。夢中になって見ていたこともありますが、、デジカメで捕らえることは不可能と諦め、脳裏に焼き付けることに。アジだけでなく、フライボールやアジとレースを組み合わせたようなリレー競技・・・etc。ドッグスポーツの種類も豊富で、どの競技も会場は沸きに沸いていました!イギリス人のゲーム好きは有名ですが・・・、なるほど!と納得できました。
 

 
DISCOVER DOGS(ディスカバードッグ・ブリタニーコーナー)
2日目、ブリタニーのブリード戦を見ていたとき、ブリーダーの方と少しだけお話ししたら、DISCOVER DOGSに是非来なさいと言われ、行ってみました。あいにく、お話しした方はいなかったのですが、ブリード戦に出場していたおばさんがいました。ここはブリーダーの方が交代で自分の犬を連れてきての、各犬種クラブの宣伝、ふれ合いコーナーのような雰囲気。ほぼ全犬種のブースがあり、このコーナー全てを回るだけでも一日かかりそうなほどです。
 

 
ガンドッグのデモンストレーション
ガンドッグのデモは興味深いものでした。広いリングの4箇所ぐらいに人工の藪が作られていて、このおじさんの指示でそれぞれの犬が巧みに動くのです。しかも大げさなジェスチャーや強い口調などは一切無く、あくまでも穏やかに静かに・・・。投げた物を拾いに行ったり、藪に仕込まれている物を探して回収したりするのですが、先読みしてか?、ときどきスパニエル種の一頭が指示されてないのに動き出して、途中で気付き戻ってくることがあり、会場の笑いをとっていました。
 

 
救助犬、麻薬捜査犬として活躍するスパニエル種
写真はレスキュー犬のデモンストレーション。わりと大がかりなセットが設置されて、瓦礫の中に取り残された人を捜すデモと、空港での麻薬捜査などをシュミレーションしたデモ。
捜査犬として出ていたのは、半数以上がスパニエル種でした。スーツケースの中に入った薬物の匂いを察知し知らせるなど、素晴らしい働きぶりを見せてくれ、嗅覚に優れたスパニエル種の能力を実感しました。
 

 
 
4日目、クラフト最終日
最終日、4日目は早朝に少し雨が降っていたらしく、ホテルの部屋から外を見るとしっとりと地面が濡れていました。もっとも、会場のある駅と会場は繋がっているので、ホテルから駅までの徒歩数分を歩く以外、4日間会場に通い詰めだったので、雨が降ってもさほど問題はないのでした。
同じツアーの方々は目的の犬種以外の日などは、それぞれオプショナルツアーなどに出かけておられたのですが、今回のドッグショーに行くきっかけとなった、しつけ教室の先生と私は、4日間、朝の8時半にはホテルを出発、9時前には会場に到着し、夜の8時までずっと会場で観戦、休憩、観戦の繰り返しでした。
先生は10年以上毎年これを続けているというのですから、驚き! 体力には自身のあった私も、毎日ヘトヘトでした。「こんなに仕事したことありません」と泣きが入るほど、ある意味仕事よりきつかったかもしれません。写真はフードのロイヤルカナンのブース前、ブリタニーが大きく描かれている看板の前にて。
 
 
 
BEST IN SHOW(ベスト・イン・ショウ)
この日のメイン・イベントは何と言っても夜の8時半から始まる「ベスト・イン・ショウ」。最終日の夕方までに決定した、世界各国から集まった出場犬数約二万頭の各犬種ブリード戦を勝ち上がり、各グループのチャンピョンとなった7頭の中から、本年度のナンバーワンを選出する、最終のBREED COMPETITIONなのです。
メインリングで行われるこの「ベスト・イン・ショウ」は全席予約席のため、かなり前から予約していないと見ることが出来ません。参加したツアーの企画会社では毎年、翌年のホテルとチケットの予約を一年前ぐらいから手配しているそうです。そう、会場近くのホテルも、出場者と観客でいっぱいになってしまうのです。
直前にはフライボール・ファイナルとその表彰式が行われ、ヒールワーク・トゥ・ミュージックの第一人者と言われるMary Ray(マリー・レイ)さんのエレガントな演技(with ボーダーコリーとシェルティー)で大いに盛り上げます!
いよいよ最終審査の始まりには、照明を落としたメインリングにクラフトの文字のスポットが舞い、バッキンガム宮殿にいるような衛兵の出で立ちをしたトランペット隊がファンファーレを鳴らし、「ベスト・イン・ショウ」の始まりを告げます。

2004年、「ベスト・イン・ショー」の最終審査にエントリーしたのは、
TOY GROUP=ビション・フリーゼ
UTILITY GROUP=チベタン・テリア
GUNDOG GROUP=ラブラドール(黒)
WORKING GROUP=ジャイアント・シュナウザー(黒)
PASTORAL GROUP=オールド・イングリッシュ・シープドッグ
TERRIER GROUP =スコティッシュ・テリア(黒)
HOUND GROUP=ウィペット(ブリンドル)
上記、各グループのチャンピョン、7頭でした。

厳正な審査の結果、私が行った2004年はウィペット(ブリンドル)が全犬種ナンバーワンに輝きました。取材陣もたくさん来ていて(たぶん世界中から)、優勝したウィペットとそのオーナーさんは、会場からの盛大な拍手とフラッシュの嵐を浴びて、一瞬にして取材陣の大きな渦の中心になり見えなくなってしまったのでした。翌朝、ホテルのロビーなどに置いてある新聞にも、この記事がデカデカと一面トップで掲載されており、クラフトの認知度の高さを物語っていました。
やはり、ブリードや犬との暮らしの歴史が長いイギリス、稚拙ですが「凄いなぁ〜」の一言につきる4日間でした。
 

ところで、イギリスの有名なドッグショー「クラフト」に行ったなどと言うと、何か目指しているの?とか競技をやっているの?とか思われそうな気もするので、言い訳を少し。(笑)
2003年は娘の高校入試が終わったことをきっかけに、待望の犬との生活を始めた年でした。そして2003年の冬、すっかり犬との生活にはまった頃、行きはじめたしつけ教室の先生から、このツアーのお知らせをいただき、10年以上「クラフト」に行き続けていらっしゃる先生(プロの訓練士、ハンドラー、ブリーダー)の解説付きでドッグショーに行けるなんて、こんな機会は滅多に無いと即決しました!
年齢はたっぷり重ねていたものの、犬との関わりとしては“ぽっと出の新人”だった私は、恥ずかしながら、クラフトがこれほど壮大なスケールのドッグショーであることも、渡英を決めてから知ったような次第でした。しかし、この経験は犬と暮らす歴たった7ヶ月だった新人の私にとって、とても良い経験となったことは言うまでもありません。
ブリード戦だけでなく、さまざまな競技やスポーツ、しつけの延長のようなゲームなど、小さな子供からおじいちゃんおばあちゃんまでが犬と関わり、楽しんでいる、また興味を持っている人口がこれほどいる底辺の厚さには驚かされ、活かされているかは別として、競技や出場者のちょっとした動作一つをとっても、学ぶべきことがとても多かったのです。
イギリスで暮らした経験があるわけではないので、何かしら弊害や問題などもあるのかもしれませんが、どんな犬でも人間の関わり方次第で信頼関係を築くことが出来るのだなと思い、犬との生活を楽しむことや、またそれを見守る周りの意識や環境の大切さを強く感じました。
ひょんなきっかけから、クラフト・ドッグショーを観に行ってしまった私は、その後、チャンスがあれば龍と何かの競技に参加してみたいとも憧れましたが、今のところ散歩だけで精一杯、特にショーに出ることも、競技に出る予定もありません。(笑)
ただ毎日の生活の中で、基本的なマナーやオビディエンスができるように日々努力しています。
犬種独特の個性もあるので、完璧なしつけを求めてキリキリとした関係になるよりは、少し緩くてもお互いが楽しい生活になるようにと心がけています。
ツアーの参加者にはトリマーの若い女の子から、ブリーダーさん、輸入業者の方、競技の勉強のために参加されている方など様々で、クラフトが終わってロンドンでの市内観光などを一緒に楽しんだり、とても楽しい旅でした。
イギリスは過去3回訪れていて、4度目の渡英となった2004年の「クラフトの旅」は、楽しいけれど学生に戻ったような学習の旅でした。ブリタニーの龍との出会いが、私にこのような素晴らしい経験をさせてくれたのだと思っています。
見聞録-02のアップからかなり時間が空いてしまい、しかも渡英からは約二年の月日を経てのアップとなってしまいましたが、これにて完結です。
「Crafts」の規模が大きすぎて、概略程度しかご報告できませんでしたが、少しでも興味を持っていただけたなら嬉しいです。