皮膚石灰沈着症について

レプトスピラ症の治療中に特異な症状が出た龍。
2005年11月15日、内股の2箇所の皮膚を切開して病理検査に出し、23日に下記の結果報告がありました。


 

病理組織学的検査報告書

 

検査内容
     
検査日:2005/11/15

検体:ホルマリン固定

部位:鼠頚部(内股のこと)Φ0.6cm

臨床像:カラーコピー

臨床症状
主訴:腋窩、鼠径、頚背部などの紅斑、局面。
経過:レプトスピラ症の治療中に急性に発症。
 
診断
     

病理組織学的診断:皮膚石灰沈着症

所見:表皮肥厚(++)
   真皮表層〜中層にかけて著しい石灰沈着を認める。
   石灰沈着によりコラーゲン線維は強く高塩基性に変性、壊死。
   血管構造は不明瞭で、残存する血管は拡張または破綻している。
   炎症細胞浸潤は軽度で、高巾球を主体とする。

鑑別診断:血栓症、血管炎、免疫介在性疾患ほか

治療と対策:
病理組織学的に真皮浅層に限局した重度で広範囲な石灰沈着症が考えられました。何らかの代謝異常、急性の血栓症、急性の血管炎が関与している可能性があります。血中CaおよびP濃度、内部臓器(腎臓、肝臓など)の機能異常がないか注意してください。何らかの代謝異常が発見された場合は、この治癒を優先してください。患部は今後、石灰沈着により壊死が進むことが予想されることから、病変部の保護、消毒、抗生物質配合軟膏の外用、抗生物質内服を行い二次感染の予防に努めてください。また、レントゲン検査を行い、他の臓器に石灰沈着等の異常がないかチェックしてください。


 

 
下記の内容は、ダイアリーレポートの中からも抜粋し、編集したものです。
 

皮膚石灰沈着症は腎臓、肝臓などの障害が出たときなどに、血液中のバランスが大きく崩れ、皮膚の下、真皮の層にある血管の周りなどに石灰が固まり、それを異物として押し出そうとするために出る症状だそうです。
龍の場合は表面だけでなく、真皮のほとんど、血管が破壊されてしまったのでダメージが大きく(炎症、化膿などを起こし)、白血球の数値が測定不可能まで跳ね上がりました。破壊されてしまった組織は、一度全部取れてしまってからの、再生を待つ以外なく、その間に起きる二次感染を特に注意しなければならないとのことです。
龍の場合、レプトスピラ症という病気の治療中に併発したため、皮膚に対する積極的な治療は出来なかったため、また、症状が重かったこともあり、飼い主としてはかなり心を痛めましたが、この症状に関して、ステロイド剤の効果は無いそうで、結局、体内の崩れたバランスを正常に取り戻すこと以外、解決の道はなさそうです。
酷く炎症を起こしている部分に塗る為、抗生物質の軟膏を処方してもらいましたが、患部があまりに広かったのと、当初は全体に血やウミが噴き出しているような状態だったこともあり、あまり使用していません。
しかし、皮膚に関しての完治は3ヶ月〜4ヶ月はかかると告知されましたが、退院からの約一ヶ月あまりで、かなり回復に向かっていることは、入院のストレスから解放されたことも大きな要因の一つだと考えられます。
また、原因が特定しにくいと言われるこの症状について書かれている、他のサイト等を読んでも、何か他の病気の治療中に起きることも多い症状のようです。

 
     

皮膚の状態:
皮膚石灰沈着症、龍の場合は、はじめペットシーツと接触する、お腹の部分のただれから始まったかのようでした。
しかし、龍は毛が黒く皮膚の異常を見つけにくいので、もしかするとそれ以前から変調が始まっていたのかもしれません。
単にただれているように見えた患部が悪化し広がり出すと、皮膚組織が壊れて毛が無くなり、患部が露出されたため、ケロイド状になっている部分に小豆大のしこりのようなものがあることがわかりました。
このしこりのような部分を切り取って、病理検査へ出されたのですが、検査の結果、腫瘍かもしれないという疑いは消え、上の報告書にあるように「皮膚石灰沈着症」と診断されました。
この検査の所見以下、診断は実際に龍の皮膚を見ていただいた、皮膚科専門の先生によって書かれたものです。
次の段階になると、タダレを突破口に、組織が破壊されてしまった部分、またその周辺から少し黄味がかったベージュ色の分泌物が吹き出して皮膚の表面に固まりだします。
右の写真2.のように石灰の固まりができて、それをかき壊すと傷になり化膿してウミと石灰の両方でまた固まり、熱が出てフラフラする・・・そのくりかえし、そんな状態でした。(当初は 血が滲んでいるようなところからも吹き出してくる様に驚き、どうしたらいいのか見当も付きませんでした。)
そして、石灰の沈着、固まり、壊しを繰り返すうち、徐々に分泌される量が減っていき、皮膚の状態が少しずつ良くなっていくという経過でした。
また、部位によっては表皮と皮下の両側から固まっているらしく、皮膚が1センチ以上盛り上がって、鎧のように堅くなるのです。
レプトスピラ症治療の入院時にこの症状が出て、病理検査に出す前に、担当医から「皮膚が盛り上がっている」と告げられましたが、龍に触れることが出来なかったので、皮膚が盛り上がっているという状態がイメージできませんでしたが、その数日後にその部分に触れてみてとても驚きました。
血が出て化膿している部分とは違い、首の後ろ部分から肩にかけてのあたりが盛り上がり、本当に鎧のように固まっていたのです。その時点で、その部分の毛は抜けておらず、主に皮下でがっちり固まっているという感触。
結果的には、血みどろにならなかった首の後ろから肩にかけての部分の治癒が一番長引いて、結局、毛も全て抜けました。
一から再生したほうが速い、ということなのかもしれません。

 
1.初期の状態   2.中期の状態
     
   
3.中期(後半)の状態    
     
胸部、腹部に吹き出し、ガチガチに固まっていた石灰のほとんどが取れて、皮膚が再生されだした。    
     
 
    家庭でのケアー:
基本的には患部を清潔にし、薬用のシャンプーを週に2〜3度する。バランスの取れた食事をし(良質のタンパク質)、カルシウムは多く摂らないようにする・・・などです。
体中に付着している石灰は、週2回〜3回のシャンプーの度に毛と共に少しずつ取れ、また体を掻いたり、揺すったりするたびに少しずつ落ちるのですが、大粒小粒、けっこうな量が落ちます。部屋中砂だらけのようになり、まるで外にいるかのようです。この週2回〜3回のシャンプーにより、皮膚の代謝を促進し、薬用シャンプーの成分が残るため、二次感染を防ぐことに繋がるそうです。
皮膚の化膿が止まるまでは、最初はお湯でウミが固まってしまった部分を洗い流して軽く取り除き、張り付かないように、炎症を抑え、鎮静効果のあるハーブエッセンス入りのスプレーで軽くしめらせたタオルを首にフワッと巻き、とにかくまめに換えてあげることをしました。化膿している箇所は熱を持ち痒がるので、アイスノンなどで冷やしてあげました。
分泌されて固まった石灰の匂いは相当な悪臭で、2〜3時間、暖房の効いた部屋を閉め切っていると息が詰まりそうになるほどです。
化膿、炎症が治まってからは、各所に固まった石灰を出来るだけ注意深く崩してやりました。毛根の奥までべったりと張り付いて固まっているため、無理をすると崩した部分の皮膚が傷口となってしまいます。
最初の頃より、後半になると色も白っぽくなり、粘度が弱くなったようでした。

皮膚の炎症時に使用したスプレー:
alt(essentially different)
ペパーミントオイル、ラベンダー水、アロエベラ成分配合
原産国:オーストラリア
これは、直接肌にというより、主にタオルに吹き付けて使用しました。
熱を持った患部を冷やしてあげるのに役立ちました。

サプリメント:
ポマジール(アククティブ)
総合的なサプリメントですが、匂いが気になるらしく、あまり好きではないようでした。

活性水素水:
免疫力アップと肌のために、今も毎日飲んでいます。




 
最終的に上記の赤い部分の皮膚がほとんど壊死という状態までになり、毛もぬけてしまいました。